未婚化・非婚化が進む日本。その背景にはお見合い結婚や社内結婚の減少があると指摘する向きもある。そんな中、社内結婚を全社的に奨励しているのが、焼き肉のたれや空揚げ粉などで有名な調味料大手、日本食研ホールディングス(HD、愛媛県今治市)だ。本社内に「社内結婚神社」と呼ぶ社を建立し、社内恋愛成就の象徴に位置づける。晴れて、社内結婚した夫婦には毎月の手当ても給付。そこまでして“身内”で結婚させたいのはなぜなのか…。
強力な縁結び効果?神社に込められた会長の思い
「『賽銭(さいせん)箱』にお札を入れると、好きな人と結ばれる」-。日本食研HD本社9、10階にある「日本食研歴史館」の一角に設けられた社内結婚神社は、こんな“パワースポット”としてあがめられているという。脇には「社内結婚 554組成婚」と、これまで社内で結ばれたカップルの数が示してあり、御利益の高さを感じさせる。
この神社は、創業者の大沢一彦会長が平成2年に建てた。「日本食研では社内結婚も社内恋愛も自由」という思いを形にしたという。社内結婚すると夫婦の名入り絵馬が奉納される。「縁結箱」という箱も設置され、気になる社員がいれば願いを書いて入れられるという。