タンスの肥やしになっている古着の中でも捨てるに捨てられないのが下着だ。しかし、欧米では下着も中古衣類の一つと扱われ、東南アジアを中心とする発展途上国でリユース下着として再販されている。こうした中、下着再活用を目的にした回収プロジェクトが動き出した。(日野稚子)
需要高い日本製
各自治体が資源として集めた古布や衣類は故繊維(回収された衣料品や布類)業者などに引き渡される。まだ使えそうな状態のものは中古衣料品として輸出され、東南アジアなど発展途上国で販売されている。古着同様、中古下着も専門店で販売され、リユースされる。多くが、下着も古着と考える欧米からの中古品だ。
首都圏の自治体で回収した古着処分について、業界団体の担当者は「日本製は品質も良く、特に女性用下着は着け心地がいいため、需要が高いと聞いている」と話す。
しかし、下着の処分に躊躇(ちゅうちょ)したり、不安感を持ったりする女性は多い。処分過程を知らなかったり、持ち去られたりするのを恐れるためだ。メーカーのワコールやトリンプ・インターナショナル・ジャパンはブラジャーなどを集め、産業用固形燃料にするリサイクル活動を毎年行っている。