【高論卓説】合議制への移行 失敗なら国民に損害 磯山友幸 (1/2ページ)

2015.1.15 05:00

 年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)の組織見直しが正念場を迎える。厚生労働省の社会保険審議会年金部会が設けた作業部会が昨年末まで原案作成を議論、今月下旬からの年金部会で結論をまとめる。GPIFは130兆円にのぼる巨額の国民資産を預かるだけに、運営の透明性、公正性を確保する組織の形を再構築できるかが焦点になる。

 GPIFは昨年10月末、日本国債中心の運用から方針を大転換して、株式に大きくシフトする方針を決め、政府もこれを認可した。従来、60%が国債などの国内債で運用していた基本ポートフォリオ(資産構成割合)を、国内債は35%に引き下げ、国内株式を12%から25%へ、外国株式を12%から25%に引き上げることにした。

 経済がデフレ基調からインフレ基調へと大きく変わりつつある中で、債券中心から株式へと資産構成をシフトさせることには一定の合理性がある。「国債は安全だ」と言っても、金利上昇局面では、債券価格は下落し、資産が目減りすることになりかねない。

 だが、日本株や外国の株式・債券にシフトすれば、利回りを上げるチャンスは大きくなる一方で、これまで以上にリスク管理が難しくなる。だからこそ、GPIFの組織のあり方を問い直す必要があるのだ。ポートフォリオの見直しと組織のあり方、いわゆるガバナンス体制はまさしく「車の両輪」だ。

 本来なら、ガバナンスを強化してからポートフォリオを見直すのが筋だが、手順前後になった。背景にはGPIFに日本株を買い増しさせたい官邸の意向が働いたとも言われる。実際、昨年11月以降の日本株の売買では「信託銀行」の買いが目立ち、市場ではGPIFの資金が入っていると見られている。

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