テレビや映画で見ているアニメーションの映像は、実はクリエーターのさまざまな意図の上に作り出されている。4月末に幕張メッセ(千葉市美浜区)で開かれた「ニコニコ超会議2015」の会場で、「新世紀エヴァンゲリオン」の庵野秀明監督がKADOKAWA・DWANGOの川上量生会長と「アニメの情報量」というテーマで対談。そこからは、庵野監督や「千と千尋の神隠し」の宮崎駿監督ら、アニメの作り手たちが伝えたいことを表現するため、試行錯誤している姿が浮かび上がった。
川上量生会長はこの数年、宮崎駿監督を支え続けてきた鈴木敏夫プロデューサーに師事して、スタジオジブリでアニメ作りに携わっている。今年4月には、そこでの経験を新書「コンテンツの秘密 ぼくがジブリで考えたこと」(NHK出版)にまとめて出版した。
この第1章で取り上げられているのが「アニメの情報量」。新書によれば、アニメの現場でよく聞く「情報量」という言葉について、川上会長が不思議に思い鈴木プロデューサーらに尋ねると、「絵の細かさ」や「線の多さ」が情報量だと説明されたという。