政府は18日、転職直後の労働者にも有給休暇を与えるよう企業に促すため、労働時間のあり方などに関する企業向け指針を今秋にも改正する方針を固めた。現行の労働基準法では有給付与は入社後6カ月を経てからでいい。このことが転職意欲をそぎ成長産業への労働力の移動を妨げているとの指摘を踏まえた。ただ指針には強制力がなく実効性の確保が課題となる。
政府が改正を検討しているのは、厚生労働省の「労働時間等設定改善指針」だ。
有給取得に向けた環境づくりや意識改革を企業に求める項目に、「有給付与の早期化を検討する」という趣旨の文言を加える。労働政策審議会(労政審)での議論を経て、9月中の公布を目指す。
労基法で企業は入社後6カ月を経た労働者に対し、有給を年10日与える義務がある。付与日数はその後、1年ごとに増え、入社6年半以降は一律20日となる。企業は自主的にこのペースを上回って与えてもいいが、実際には入社後6カ月以内の労働者に有給を与えるケースは少ないという。
政府の規制改革推進会議はこれまでに、この状況が休暇利用の多様なニーズに応えず労働者の転職を足踏みさせていると指摘。勤務初日に1日の有給を与え、勤続1カ月ごとに1日ずつ増やすといった仕組みの導入を提言している。
指針改正はこうした提言などを踏まえるものの、具体的な有給付与の方法は示さない方向だ。指針はガイドラインで拘束力もなく、労基法改正で抜本的な制度改正に踏み込むべきだとの声が強まる可能性もある。