【書評】『世界を見た幕臣たち 幕末遣外使節団の軌跡』榎本秋・著


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 ■のちに明治の礎となった人材

 近代日本の外交では明治4年の岩倉遣欧米使節団が知られるが、江戸幕末にも数回、米欧露などに使節団が派遣されていた。咸臨丸も参加した初の使節・万延遣米使節団(1860年)、エジプトでスフィンクス前の記念写真もある文久遣仏使節団(64年)などだ。

 いずれも外交成果は皆無だったが、遣外使節経験者のなかには、のちの岩倉使節団にも参加するなど明治の礎となった人材も多かった。それぞれの使節団のエピソードを掘り起こし、人や出来事が後に与えた影響も考察。帰国後の動向も詳しい巻末の「使節・随員主要者一覧」は読み応えがある。(1026円、洋泉社歴史新書)

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