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スキー道具に漆や金箔 欧州で斬新ブランドを立ち上げた日本人女性の憂い (1/3ページ)

安西洋之

 高木美香さんは長きに渡り欧州に住んでいる。およそ2年前、彼女はスキーファッションのブランドを立ち上げた。レインディアという。フランス語の「女王」と英語の「鹿」を組み合わせた。(安西洋之)

 動物好きの彼女は、社名に動物名を入れたいと考えた。日本人は鹿の革を使うが、鹿の肉はあまり食べない。一方、フランス人は鹿の肉を食べるが、革としてはさほど使わない。この2つの文化をコンバインさせたところに生まれる香りを、ブランド名に添えたかったようだ。

 今、世界中のスキー場を飛び回り、市場リサーチとプロモーションに余念がない。来冬シーズンが本格的なスタートだ。つまり今年後半から納入する商品の売り先の確保が直前の課題である。

 レインディアはラグジュアリーブランドの位置を狙っている。ウインタースポーツをコアとした高級リゾート地にあるセレクトショップに、高木さんが企画し、日本で生産したスキー板とウェアをおいてもらう。フランスでは既に顧客を獲得し、日本でもニセコなどの店舗と交渉中である。

 レインディアは伝統工芸にある漆や金箔を、スキー板の3層の真ん中に入れて傷がつかないようにしている。高木さんの想いにある「生活様式・文化に左右されない使える工芸品」の具現化である。

 かつて彼女はロンドンのサザビーズやパリのクリスティーズで17-18世紀の家具やオブジェなどについて勉強し、サザビーズでフランス18世紀のそれらを扱う仕事をしていた。その後、毛皮のオートクチュールのビジネスにも関わった。

 幼少の頃から、職人の手が入るモノに惹きつけられてきた彼女にとって、好きな雪景色をバックにスキーファッションのビジネスをするのは、とても「理にかなっている」。もちろん、新しいブランドをつくるに障壁はたくさんあるが、その1つが日本のテキスタイルメーカーの対応だという。

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