試練の2013年も残すところ1週間。推薦取り下げという残念な結果だった世界遺産登録では「武家の古都」をアピールしていたが、鎌倉には実は、神社や仏教寺院だけでなく、キリスト教会も多い。クリスマスが意外に似合う町でもある。
明治政府のお雇い外国人だったドイツ人医師、エルヴィン・ベルツは1880(明治13)年に鎌倉を訪れ、その海岸を保養に最適の地と評価したという。そうした経緯もあって、近代の鎌倉には、海沿いに別荘や自宅を構える欧米系の外国人やいわゆる洋行帰りの日本人も少なくなかった。
長与専斎が当時、由比ガ浜に開設したサナトリウムは後に鎌倉海浜ホテルという高級ホテルとなり、そのクリスマスパーティーは近隣の子供たちにも羨望の的だった。
中世だけでなく、日本が近代化していく歴史の中で鎌倉の魅力をとらえる研究も、もっとあっていい…おっと、肩に力が入るとボロが出そうなので、話を元に戻しましょう。ハデさはないが、鎌倉はクリスマスの飾り付けがしっくり似合う町でもある。