5歳くらいの時に浮かんだ女優になりたいという夢を、成長しても夢に終わらせたくないとがんばった。高校生のときに出た映画「がんばっていきまっしょい」(1998年)で好演して数々の賞を獲得。「やっとスタートラインに立てたとは思いました」。けれどもそこからが大変だった。「芝居をどうやっていいか、どうそこに居たらいいのか分からなかった。その仕事をするという意識をつかめていないところがあったんでしょうね」
アイドル的な人気に安住せず、映画やドラマ、舞台と場所を選ばずさまざまなタイプの作品に出ては、自分の限界を試し続けた。そんな経験を重ねて得たのは「悩んだり葛藤をしても、そんなふうに自分ががんばれる場所があるということ。これしかない、ここしかないんだと思えるようになりました」。女優しかない。そう覚悟して挑むようになった作品での演技が、次の作品へとつながり道を広げている。
いつか喜劇に挑戦したいという思いも、今回の舞台で実現した。「19歳くらいのころ、柄本明(えもと・あきら)さんと中村勘三郎さんがやっていらっしゃった舞台を見に行ったんです。それが喜劇だったんですけど、本当に笑って泣けて感動して…。その時に勘三郎さんが、アドリブで私の名前を呼んでくれたんですよ! ものすごくうれしかった」