経済協力開発機構(OECD)は6月25日、中学校を対象に教員の勤務環境や指導状況を調査した国際教員指導環境調査の結果を公表した。1週間の仕事時間は日本が53.9時間で、参加した34カ国・地域で最も長かった。授業時間は参加国平均と同程度だったが、部活動の指導や事務作業に費やした時間が大きく上回った。
「日本の教員は忙しい」と指摘されて久しいが、今回の調査で国際的にも多忙が裏付けられた格好だ。文部科学省は「事務職員を増やすなどして教員の負担を減らし、教育に集中できる環境を整えたい」としている。
1週間の仕事時間の参加国平均は38.3時間で、日本だけが50時間超。カナダ(アルバータ州のみ参加)48.2時間、シンガポール47.6時間が続き、最も少ないのはチリ29.2時間だった。
日本の教員の授業時間は17.7時間で平均の19.3時間を下回ったが、授業の準備は8.7時間(平均7.1時間)。2つを合わせた授業に関係する時間は平均と同じだった。一方で、書類作成などの一般的な事務業務は5.5時間(平均2.9時間)、部活動など課外活動の指導は7.7時間(平均2.1時間)と多かった。調査は2012~13年に各国で実施し、今回が2回目。日本は初参加で、全国の国公私立192校の校長と教員計約3700人が回答した。米国は回答率が基準以下のため平均値に含まれない。