これは今後のダンス界に関わる非常に重要な質問ですね。ダンサーを取り巻く文化の根幹は基本的に「自分をどう目立たせるか?」、あるいは「あいつより俺がイケてるぜ」と周囲に知らしめることにあります。だから彼らは皆自分のダンス観や信念のためにバトルをします。これは実力主義という側面では非常に素晴らしいことですが、一歩ダンス界の外に出ると、そのような争いには関係のない人たちがほとんど。自分の信念が強いばかりに一般の人を相手に他のダンサーをディスってしまう(Disrespect=ネガティブな発言をしてしまう)ことが多く見られます。これではダンサーを取り巻く企業の人たちは、誰を信用していいのか、分からなくなってしまいます。
こうした少しの対立がシーン全体の足止めをしていることは明白です。インチキ無しの実力主義という文化は残しつつ、互いに敬意を示せる人間性を持てるようになれば、きっとダンサーの団結は強くなると信じています。そして、そもそも何のために踊っているのかをダンスで身を立てようとする全ての人が意識すると、もっと世間に浸透していくと思います。