米政府がフロリダ州マイアミの水族館で飼育されている雌のシャチ「ロリータ」を絶滅危惧種保護法の保護対象リストに加える決定を下し、話題となっている。絶滅の危機に瀕している他の野生のシャチと同様に保護を受ける権利を得ることになり、米国の動物愛護団体などは野生に戻すよう主張しているが、45年近く水族館で暮らしてきたロリータが野生の中で生きていけるのか、疑問視する声が強いためだ。
AP通信などによると、政府はこの方針を2月に決定。ロリータのリスト掲載を求める運動を展開してきた動物法律保護基金(ALDF)の代理人、ジェシカ・ブローム氏は「これでロリータは保護される権利を勝ち取った。われわれはロリータが敬意を持って扱われるようあらゆる救済策を要求する(法律上の)権利を得た」と歓迎した。
愛護団体側は、ロリータは水族館の狭いプールではなく、野生の中で暮らすべきだとして、彼女の生まれ育った海に戻すよう主張している。まずはワシントン州北西部のサンフアン諸島沖にあるシャチの海洋保護区にロリータを放し、野生のシャチと一緒に過ごせるようになるまで監視と世話を続けるというのが彼らの考え方だ。