「平成の修理」を終えた世界遺産・国宝の姫路城(兵庫県姫路市)の大天守内部が18日、報道陣に公開された。一般公開は27日から。
スマホで解説映像
修理は2009年10月に着工。屋根瓦をふき替え、黒ずんだしっくいを塗り直し、しゃちほこも新調した。大天守の修理は13年11月に終わったが、工事用の足場などを解体する作業が続いていた。
城内では「拡張現実(AR)」と呼ばれる技術を活用。専用のアプリを入れたスマートフォンやタブレット端末を展示パネルにかざすと、武士らが動く解説映像や、江戸時代の城を再現したCGアニメーションが映る。姫路市は15年度の入場者を180万人と見込んでいる。
耐久性を意識して
姫路城が「白鷺城」とも呼ばれるゆえんは見事なしっくい塗り。「平成の修理」では2年半強の間、左官工事会社「イスルギ」(金沢市)の職人ら多いときで16人が、作業に携わった。「世界中の人に、美しい白色を楽しんでほしい」。現場を統括した中田正起さん(54)は「世界遺産・国宝の修理」という大役を終え、思いを語る。