天皇、皇后両陛下は8日、戦後70年の節目に戦没者を慰霊するため、羽田発の民間チャーター機でパラオ共和国に入られた。海外での「慰霊の旅」は2005年6月の米自治領サイパン島以来10年ぶり2度目。パラオご訪問は、天皇陛下が強く望みながら一度断念しており、10年来の宿願をかなえられた。
両陛下は8日夕(日本時間8日夕)、パラオ本島のパラオ国際空港にご到着。空港内でレメンゲサウ大統領夫妻と会見された。宮内庁によると、大統領は国を挙げた歓迎の意を示したのち、戦没者遺骨の収集を「加速させたい」と明言。約200カ所とされる戦後埋められた日本軍の洞窟や壕を「順次開けていきたい」と語った。天皇陛下は「遺族の方が大変感謝されると思います」と述べられた。
パラオには日系人も多く、沿道には地元住民が多数並んで両国国旗を振って歓迎した。
コロール島での歓迎行事にはアイランドフォーマルと呼ばれる南国の礼装に合わせ、陛下は長袖シャツにスラックス、皇后さまはチュニックなどのクールビズでご臨席。パラオ側に招待された隣国のミクロネシア連邦のモリ大統領、マーシャル諸島共和国のロヤック大統領とも懇談された。