水泳の世界選手権第15日は7日、ロシアのカザニで行われ、競泳女子200メートル平泳ぎは渡部香生子(わたなべ・かなこ、JSS立石)が2分21秒15で金メダルに輝き、来年のリオデジャネイロ五輪代表に決まった。
世界女王の名にふさわしい圧倒的な強さだった。
勝負をかけた最後の50メートルは渡部の独壇場。女子200メートル平泳ぎで、シナリオ通りの逆転勝利を演じたヒロインは「重圧の中で想像通りのレースができた。本当にもう、最高。これまでにないくらいすっきりした」と声が裏返らんばかりの勢いではしゃいだ。
世界記録保持者のペデルセン(デンマーク)が失速すると見切っていた竹村コーチに「最後は香生子が速く泳げる」と背中を押され、迎えた決勝。
隣のコースで積極的に飛ばすライバルを、体半分ほどの差でぴたりと追った。150メートルを0秒88差の2番手でターンすると、渡部劇場の幕が開けた。ひとかきごとに差を詰め、残り25メートルで「(相手が)失速してきた。いける」とテンポを上げた。並ぶ間もなく一気に置き去りにした。