首都ロンドンのギャラリーで、恐竜時代最末期の肉食恐竜、ティラノサウルスの模型に触れて戯れる男児。ティラノサウルスは、約300万年間、生態系の頂点に君臨したが、小惑星の地球衝突を機に姿を消していった=2015年8月3日、英国(AP)【拡大】
中生代(ちゅうせいだい)の三畳紀(さんじょうき)後半(約2億3000万年前)に出現し、約6500万年前に地球上から姿を消したとされる恐竜。その絶滅原因についてはこれまで、地球への大規模な「小惑星衝突説」と激しい「火山噴火説」が有力とされ、どちらの学説が正しいか30年以上にわたって論争が繰り広げられてきた。そんな中、米大学の研究チームが2日、小惑星衝突か火山噴火の一方ではなく、両方が原因で密接に関連し合っているとする研究結果を発表した。研究チームのリーダーは「人類誕生への道筋を開いた恐竜絶滅の原因をめぐる論争は、これで終わりにする時が来た」と話した。
新学説を発表したのは、米カリフォルニア大学バークレー校の研究チームで、米科学誌サイエンスに掲載された。
劇的な気候変動誘発
小惑星衝突説は、約6600万年に直径15キロほどの小惑星が現在のメキシコのユカタン半島近くに衝突、衝撃で吹き上げられた大量の粉塵(ふんじん)が大気中に漂い、地球全体が闇に包まれて気温が下がったことで多くの生物種が生存できなくなり、恐竜も絶滅したとする学説だ。衝突の衝撃は広島に落とされた原爆の約10億倍だったと考えられている。