【石平のChina Watch】
中国のネットでは最近、「中国四大古典小説」にちなんだ面白い小話が流されている。中国の国内状況を実によく描き出したものなので、それを取り上げて今年最初の本欄を飾る。
「中国四大古典小説」とは『紅楼夢』『三国演義』『水滸伝』『西遊記』の4つだが、例の小話はこうである。
「われら中国人民は今、四大古典小説を実演している。エリートと金持ちは『西遊記』をやり、高級幹部は『紅楼夢』を楽しみ、地方政府は『三国演義』を繰り広げる。庶民たちはやることが何もないから、皆で『水滸伝』を演じてみせる」
小話に出た「古典小説」ごとに解説すると、こういう内容となるのである。
まずは『西遊記』。それは孫悟空が唐三蔵の供をして西域へ仏典を求めに行く物語だが、小話がその書名をもじって「エリートと金持ちは『西遊記』をやる」と言うのは実は、中国のエリートや富裕層が群をなして西側の先進諸国へ移住する現象を指している。本欄もかつて記したように、「第三の移民ブーム」と呼ばれる「中国からの大逃亡」はすでに始まっている。
【石平のChina Watch】
中国中央電視台など
党幹部などの子供が暴走する事故も
ぼったくりが横行