【上海=河崎真澄】中国鉄道省が建設資金調達のために市場で独自発行している債券を、同国の格付け会社「大公国際資信評価」が先月23日に起きた高速鉄道事故後も最高ランクの「トリプルA」と格付けし続けていることに、中国紙が相次いで異議を唱えている。
この格付け会社は、今月8日に同省が発行した総額200億元(約2400億円)の短期債券を含め“鉄道債”を最上級に格付けしたが、今月3日には米国債の格付けを「Aプラス」から「A」に下げた。中国の国債は米国債より高い「ダブルAプラス」という。
これに対し中国紙、第一財経日報は、「中国国債や米国債より同省の格付けがなぜ高いか。格付け会社の独立性や公正さの欠如が疑われる」とかみついた。また京華時報は、「高速鉄道事故は同省の資金調達にマイナス影響を与えたのではないか」とする専門家の声を伝え、疑念を示した。
建設や運行など現業部門を抱える同省は2兆元以上も負債があり、国家予算とは別枠で独自に資金調達している。中国人民銀行(中央銀行)の認可で1994年に北京で設立された同格付け会社は、「同省は大規模な優良資産を保有している」などと、最上級格付けの理由を説明している。