【必読!中国ビジネス】第19回 「日本駐在員の労務問題」(1) (1/3ページ)

2011.8.29 05:00

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 ■地域による法令実務の相違に注意を

 中国では、「地域により法令解釈・実務が異なる」とよくいわれます。税務・会計も例外ではなく、その相違は日本人の想像以上といえるでしょう。

 例えば大連は、中央政府がある北京と地理的に近い関係からか、法令解釈などが非常に厳格です。「ルールで決まっているからこうなんです!」と四角四面な対応がよく見受けられます。法令実務においても、経済合理性やビジネスへの影響などを考慮してくれていると随所で感じる上海などと対照的です。

 このように、中国の多地域で事業を展開する日系企業は、地域の実情に応じた対応を迫られることも多く、日本人駐在員の処遇にも注意を要します。

 日本では「上海=中国」という捉え方をした情報が広く伝わっていることもあり、大連の駐在員が、日本本社から「上海の駐在員が言っていることと全く違う。あいつはいったい何を考えているのか」などと、あらぬ誤解を招くことも少なくありません。

 今回は、地域間の法令実務の相違が日本人駐在員の労務問題に影響した事例を紹介しましょう。

 ◆細かく異なる課税

 通常、中国の日本人駐在員には、年に何回かは会社からホームリーブ(一時帰国)手当が支給されます。このホームリーブ手当は、中国の個人所得税法上、「年2回、実費精算の場合は非課税」と定められています。これは、基本的に中国全土でほぼ共通ですが、地域により細かな相違点があります。例えば、「家族帰国分」についての取り扱いです。

 上海などではホームリーブ手当の「家族帰国分」は非課税となっていますが、大連では地方通知により課税と明確に定められ、「家族帰国分」については駐在員本人の給与に合算して個人所得税を納税する必要があります。