当局の絶対的支配の終焉か… 「中国金融革命」が始まった (2/3ページ)

2011.11.24 13:19

 トウ小平の改革開放以来、中国政府は高度成長推進のために、私営企業などの「私有経済」の拡大をずっと容認してきている。だが政府は、「社会主義」の最後の砦(とりで)として金融部門をしっかりと掌握して私有経済に対する国家の優位を保ち、国民経済全体への支配を不動のものにしている。

 しかし今回、政府として民間金融の活動を公認することとなると、それはすなわち、国家による経済支配の本丸の一部を民間に明け渡すようなことにほかならない。そして各国の「資本主義発展史」を見れば分かるように、民間の金融資本はいったん経済に根を下ろして定着すれば、それはやがて国家と対抗できる強大な力を持って政治的主張を強めていくものである。

 とくに今の中国の場合、民間金融は今後、高い預金金利を武器にして大量の資金を募って急成長を成し遂げるに違いない。その時、巨額の負債返済に苦しんでいる全国の地方政府や建設資金の不足で困っている鉄道省関連の国営大企業などが競って彼ら民間金融のお世話になってその債務者となる可能性が大だ。

 その結果、政府と民間との立場の逆転が起きてしまい、独裁体制の基本である政権の民間に対する優位が一気に崩れてしまう。少なくとも、経済などに関する政府の意思決定に対し、民間の金融資本が大きな影響力を持つようになるのは必至であろう。

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