■実質的に企業側が全額負担
中国社会保険法は、2010年10月28日に日本の国会にあたる全国人民代表大会の常務委員会で発布され、翌11年7月1日から施行されました。社会保険法によって、それまで個別の法律で規定されていた養老保険、医療保険、失業保険、労災保険、生育保険が一本化され、これらの保険料を従来は課されていなかった外国人駐在員も納付しなければならなくなったのです。
ちなみに、社会保険法の第97条で「外国人が中国国内で就業する場合、本法の規定を準用して、社会保険に加入する」と定められています。
対象になる外国人就労者は現地採用者だけではないか-。実際に納付するとなると、日系企業にとって大きなコスト負担になるので特例措置が設けられるのではないか-。そういった憶測が飛び交っていましたが、11年6月10日に「中国国内で就業する外国人の社会保険加入に関する暫定弁法」に対して外国人就労者へのパブリックコメント(意見公募)を求め、11年9月8日に「中国国内で就業する外国人の社会保険加入に関する暫定弁法」が公布され、11年10月15日より実施されることになりました。
今回と次回に分けて、外国人駐在員の社会保険加入に伴う負担度合いとその対策について説明したいと思います。
◆対象と保険料率
まず、社会保険法に基づき納付しなければならない社会保険は、養老保険、医療保険、失業保険、労災保険、生育保険です。保険料率は各地区によって異なりますが、上海市と大連市の場合は表のようになっています。
次に、納付保険料の計算基準となる納付基数はいくらでしょうか。社会保険法第12条によると、「従業員は国が定める本人の賃金の比率に基づき、基本養老保険を納付し、個人口座に振り込まなければならない」と規定されています。