企業6割「景気緩やかに拡大」 118社アンケート (1/5ページ)

2012.5.5 05:00

 企業の景況感の改善傾向が鮮明になってきた。フジサンケイビジネスアイが主要118企業に行ったアンケートによると、足元の国内景気が「緩やかな拡大」にあるとする企業が6割を超え、回復基調が強まっている実態が浮かび上がった。欧州債務危機が招いた急激な円高は、日銀の金融緩和などによって歯止めがかかり、輸出関連企業を中心に景況感が回復しつつある。本格的な業績回復時期は「今年度下期」とする回答が最も多かった。

 最悪期脱し上昇傾向

 調査は4月中旬から下旬にかけて実施した。

 国内の景気認識について聞いたところ「緩やかな拡大」とする回答が61%に上った。昨年末に主要116社を対象に実施したアンケートでは足元の景気認識について、景気動向が足踏みする「踊り場」と回答する企業が52%と最多だった。今回の調査で「踊り場」と答えた企業は35%と前回調査時よりも大幅に減少。景気は最悪期を脱し、上昇傾向にあるとの認識が浸透してきたことがうかがえる。ただ、「拡大している」との回答はわずか1%で、強い回復を感じ取るまでには至っていない。

 景気の本格的な回復時期については、最も多かった回答が「2012年度下期中」(35%)で「12年度上期中」と答えた13%を合わせると、48%が今年度中の回復を見込んでいる。13年度中との見方も19%を占めた。ただ、「すでに踊り場は脱却しているが、力強い回復はまだ先」(金融)との意見もあり、先行き不透明感は拭い切れていない。