民主化が進むミャンマーに対し、日本の経済界が熱い視線を送っている。進出に動き始めた企業は後を絶たず、ブームともいえる様相だ。ミャンマーは昨年3月に軍政から民政に移管。その流れを後戻りさせないためにも経済支援は欠かせない。日本企業にとっても、成長する東南アジアとのつながりを深化させるために、「アジア最後のフロンティア」と目されるミャンマーとの関係強化が極めて重要になりつつある。
世界中の企業が調査
進出の例を挙げればきりがない。全日本空輸はミャンマーへの定期便を12年ぶりに再開する方針を表明。東京証券取引所グループと大和総研は5月、ミャンマー中央銀行と証券取引所設立への協力などで覚書を締結し、三井住友銀行は同国最大の商業銀行を技術支援する。最大都市ヤンゴンだけでなく、2006年にヤンゴンから移転した新首都ネピドーに駐在員事務所を置く商社も相次いでいる。
丸紅によると、「ヤンゴンのホテルは世界中のビジネスマンで満杯。値段も昨年夏の2倍くらいに跳ね上がっている」(市場業務部)。急増する“ミャンマー詣で”は今後の事業展開への期待の高まりと比例する。欧米が経済制裁停止で歩調を合わせ、日本が円借款を25年ぶりに再開する方針を示したことがさらに機運を盛り上げている。
安くて若い労働力
投資メリットを考える上では、2つの観点がある。