韓国で電力不足が深刻な問題になっている。突然の停電で、工場が大きな損害を被ったり、強制節電により生産に支障が出るケースも見られる。原因は複合的だが、原子力発電所で事故や不祥事が相次ぎ、2基が稼働を停止したままであるのが大きく響いている。
事故を1カ月隠蔽
韓国・朝鮮日報などによると、今年2月、韓国南東部釜山(プサン)郊外の古里(コリ)原子力発電所1号機(58万キロワット)の定期点検中に停電が起こり、非常用外部電源が故障していたため、停電中の12分間に原子炉内の冷却水の温度が摂氏36.8度から58.3度に急上昇し、炉心溶融(メルトダウン)の危険があった。同原発の所長が中心になって事故を隠蔽(いんぺい)し、作業報告書も改竄(かいざん)させていたことが1カ月以上が経過してから明らかになった。
古里は1978年4月に稼働した韓国最初の原発で、設計寿命を迎えた2007年6月に停止したが、国際原子力機関(IAEA)の検査を経て、韓国政府が10年間の稼働延長を認め、08年1月に再稼働した。隠蔽事件を受けて、周辺住民や環境団体などは古里原発1号機の廃炉を求めている。
韓国東部の蔚珍(ウルチン)原発では昨年9月、4号機(100万キロワット)の定期検査で蒸気発生器内の伝熱管約1万6000本の相当数に亀裂が見つかり、修理のために運転を停止している。同発電所3号機(100万キロワット)も6月末に定期点検に入るため、今夏は稼働が見込めない。