韓国襲う深刻な電力不足 原発2基停止、相次ぐ不祥事に国民不信感 (1/3ページ)

2012.6.19 05:00

 韓国で電力不足が深刻な問題になっている。突然の停電で、工場が大きな損害を被ったり、強制節電により生産に支障が出るケースも見られる。原因は複合的だが、原子力発電所で事故や不祥事が相次ぎ、2基が稼働を停止したままであるのが大きく響いている。

 事故を1カ月隠蔽

 韓国・朝鮮日報などによると、今年2月、韓国南東部釜山(プサン)郊外の古里(コリ)原子力発電所1号機(58万キロワット)の定期点検中に停電が起こり、非常用外部電源が故障していたため、停電中の12分間に原子炉内の冷却水の温度が摂氏36.8度から58.3度に急上昇し、炉心溶融(メルトダウン)の危険があった。同原発の所長が中心になって事故を隠蔽(いんぺい)し、作業報告書も改竄(かいざん)させていたことが1カ月以上が経過してから明らかになった。

 古里は1978年4月に稼働した韓国最初の原発で、設計寿命を迎えた2007年6月に停止したが、国際原子力機関(IAEA)の検査を経て、韓国政府が10年間の稼働延長を認め、08年1月に再稼働した。隠蔽事件を受けて、周辺住民や環境団体などは古里原発1号機の廃炉を求めている。

 韓国東部の蔚珍(ウルチン)原発では昨年9月、4号機(100万キロワット)の定期検査で蒸気発生器内の伝熱管約1万6000本の相当数に亀裂が見つかり、修理のために運転を停止している。同発電所3号機(100万キロワット)も6月末に定期点検に入るため、今夏は稼働が見込めない。

産経デジタルサービス

産経アプリスタ

アプリやスマホの情報・レビューが満載。オススメアプリやiPhone・Androidの使いこなし術も楽しめます。

産経オンライン英会話

90%以上の受講生が継続。ISO認証取得で安心品質のマンツーマン英会話が毎日受講できて月5980円!《体験2回無料》

サイクリスト

ツール・ド・フランスから自転車通勤、ロードバイク試乗記まで、サイクリングのあらゆる楽しみを届けます。

ソナエ

自分らしく人生を仕上げる終活情報を提供。お墓のご相談には「産経ソナエ終活センター」が親身に対応します。