産経新聞経済本部編集委員・早坂礼子
先月の関西電力大飯原子力発電所第3号機の再稼働を機に、首相官邸前で毎週金曜日に反原発デモが行われている。デモの主催者側と警備する側の数字に開きがあるのはいつものことで正確な数は不明だが、参加者は数万人単位で回を追うごとに確実に増えているようだ。組織的な活動家よりインターネットの短文投稿サイト「ツイッター」などの呼びかけに応じた個人参加の人が目立つ。彼らはのぼり旗を立ててことさらに騒ぎ立てるのではなく、静かに集まり去っていくという。
一方、経済界は原発再稼働を歓迎している。電力は経済活動の基本インフラで、足りないと企業業績を左右する。自家発電装置を自前で整備できる大企業はまだいいが、電気を大量に使う鋳物やアルミ精錬関係の中小企業には死活問題だ。大飯再稼働にあたり野田佳彦首相は「安価で信頼性のある電力は今後の繁栄と相応の生活水準に不可欠だ。原発なしでやりくりしようとしても日本社会は機能しない」と述べた。
だが、経済界は“すべての原発”を容認してはいない。日本商工会議所の岡村正会頭は「安全性を厳格に確認し立地自治体の理解を得た上で再稼働すべき」と述べているし、経団連の米倉弘昌会長も「安全性の確保を大前提に地元の理解を得ること」を再稼働の条件に挙げている。“安全確認済みの原発”を望んでいるのだ。