消費税増税時の価格転嫁 中小企業の不安払拭へ「調査官」

2012.10.27 07:00

 政府は26日、消費税増税時に中小企業が増税分を価格転嫁できるようにする対策の基本方針を決定した。価格転嫁の状況を監視する調査官の設置や、大企業などが価格転嫁を拒否した場合に公正取引委員会が勧告することが柱。中小企業の不安感を取り除くことで、増税への理解を得たい考えだ。

 消費税率が引き上げられた場合、立場の弱い中小企業が増税分を販売価格に上乗せしようとしても、取引先の大企業などから拒否される恐れがある。価格転嫁が円滑に行われなければ、中小企業の業績が悪化して経済に悪影響を与え、消費税増税に対する反発も広がりかねない。

 日本商工会議所などが昨年実施したアンケートでも、中小企業(年間売上高5000万円以下)の6割超が「増税時の価格転嫁は困難」と回答。政府に対策を求める声も根強かった。

 この日、関係閣僚でつくる推進本部が決定した基本方針では、価格転嫁が適切に行われているかなどをチェックする「転嫁対策調査官」を経済産業省など各省に設置。増税分の上乗せを拒否した企業に対しては、公取委などと連携して行政指導を行うとした。

 指導が受け入れられない場合、公取委が増税分の支払いを勧告し企業名を公表。勧告に従わなければ、独占禁止法違反として罰則を科せるようにする。

 中小企業経営者らをサポートするため、相談を受け付ける窓口も内閣府に設置する。

 複数企業で増税分の製品価格への上乗せを取り決める「転嫁カルテル」や、表示方法を取り決める「表示カルテル」は、公取委に事前に届け出た場合、独禁法の適用除外として認める。

 これらの対策は、税率を8%に引き上げる2014年4月の半年前の13年10月から実施し、17年3月末までの時限措置とする。政府は年末までに詳細を検討、来年の通常国会に関連法案を提出する方針だ。