ボルネオ島・東マレーシアのサバ州にある広大なゴム農園。樹齢5~6年目くらいからゴムの原材料となる白い樹液ラテックスを採取できる【拡大】
天然ゴムの生産国としてタイとインドネシアに続き世界3位に後退したマレーシア。プランテーション(大規模農場)での栽培が、天然ゴムの原料となる樹液を採取できるゴムノキからパーム油が搾取できるアブラヤシに取って代わり、1980年代後半から生産量が減少したことが大きな要因だ。
政府は、9月にクアラルンプールで開催された「第6回国際ゴム手袋会議」において、首位奪還を目指して用地の拡張や苗木の植林など生産量の増加を図るだけでなく、最新技術を駆使し、高品質のゴム製品を生産するための施設・試験所を設立し、ゴム産業の活性化に着手することを表明した。
同会議に出席したムヒディン副首相によると、昨年のゴム製品全体への投資は約6億3000万リンギット(約165億円)で、うちゴム手袋分野が70%以上を占めた。ゴム手袋の2011年輸出額は98億9000万リンギットで、前年比で11%の伸びをみせている。なかでも、気を吐いているのがゴム手袋最大手のトップグローブだ。