日本政府観光局が19日発表した1月の訪日外国人客数(推計値)は前年同月比2.4%減の66万8700人だった。昨年は1月だった中華圏の春節(旧正月)の時期が今年は2月にずれたことで、中華圏からの訪日客が減少したのが響いた。今年の訪日外国人客数について政府が過去最高の1000万人を目標に掲げる中、厳しい出足となった。
国・地域別では中国が47.6%減の7万2500人とほぼ半減し、昨年9月の沖縄県・尖閣諸島の国有化を機にした日中関係の悪化が尾を引いている。その他の中華圏は台湾が11.6%減の11万1300人、香港が35.6%減の3万1200人だった。
一方、タイやインドネシア、ベトナム、豪州からの訪日客は1月では過去最高をそれぞれ記録した。タイからは33%増の1万6100人で10カ月連続で過去最高を更新。豪州からは訪日スキー旅行客が増え、42.6%増の3万1700人だった。
このほか韓国は35.2%増の23万4500人で、格安航空会社(LCC)就航などを背景に回復傾向にある。
観光庁の井手憲文長官は19日の会見で「春節の影響を除けば、おおむね順調」と前向きに評価した。また、安倍晋三政権の経済政策「アベノミクス」の効果もあって為替相場の円安傾向が続いていることから、円安が今後の訪日外国人の増加を後押しする効果に期待を示した。