白川総裁【拡大】
2008年4月の就任以来、日本経済を約15年にわたって悩ませているデフレと格闘してきた日銀の白川方明(まさあき)総裁。5年の在任期間で最後となる定例の金融政策決定会合を7日に終えた。これまでの歩みを振り返ると、評価の異なる2つの顔が浮かび上がる。
「不合格」の烙印
通算75回の決定会合のうち15回、資産買い入れ額101兆円(13年末までの残高目標)-。利下げや資産買い取り基金の増額など、この5年間に日銀が決めた金融緩和を示す数字だ。
安倍晋三政権や次期日銀総裁候補の黒田東彦(はるひこ)アジア開発銀行総裁らは、白川日銀の金融政策に「不合格」の烙印(らくいん)を押した。だが、こうした数字は、白川氏が「15年デフレ」に挑み、世界でも異例の大規模金融緩和を主導したことを示す。では、白川氏の政策のかじ取りが評価されないのはなぜか。
「日本の緩和は、市場へのインパクト(影響力)が弱かった」。日本取引所グループの斉藤惇最高経営責任者(CEO)が、2月末の記者会見で漏らした言葉がその答えだ。