東日本大震災以降、歴史的な円高の影響や、欧州経済の不振が響き、日経平均株価は低迷した=2011年8月9日、東京・八重洲【拡大】
本格回復基調となったのは昨年末から。円安や米経済の回復とともに、日米の金融緩和で投機資金が株式市場に流入した。
株価は今年1月4日に震災前水準に、今月8日にはリーマン・ショック前の水準にようやく戻った。市場では今後も上昇相場への期待が強い。
≪円相場≫ 「超円高」70円台のスタート
輸出企業を苦しめた1ドル=70円台の“超円高”は、震災から始まった。保険金の支払いや復興資金確保のため円の需要が強まるとの思惑から、2011年3月17日の米ニューヨーク外国為替市場で一時、1ドル=76円25銭をつけ史上最高値を更新。投機的な円買い抑制のため同18日には日米欧の先進7カ国(G7)が協調介入し、いったん80円台に値を戻した。
だがその後、再び円高に向かう。深刻化した欧州債務危機や米景気後退懸念から、投資マネーは、震災後も安全資産と評価された円に流入。10月末には一時、1ドル=75円32銭と最高値を更新した。日銀の金融緩和、民主党政権の大規模な為替介入でも円高を阻止できなかった。