再生可能エネルギーで発電した電力を固定価格で買い取る制度をめぐり、経済産業省の「調達価格等算定委員会」(委員長・植田和弘京大大学院教授)は11日、太陽光発電の買い取り価格を13年度は12年度よりも家庭用で4円、事業用で4.2円引き下げる案をまとめた。ただ太陽光発電の拡大で発電総量が増えるため、経産省によると1カ月の電力使用量が300キロワット時で7000円を支払う標準家庭の場合、13年度の電気料金への上乗せ額は全国平均で12年度の87円から120円に上がる見通し。
太陽光の買い取り価格案では出力10キロワット未満の家庭用は1キロワット時当たり税込みで38円、メガソーラーなど10キロワット以上の事業用は37.8円とする。いずれも42円だった12年度は割高だと判断した。
一方、風力や地熱発電などは導入実績が少なく、検証が難しいため価格は据え置く。
買い取り価格は、茂木敏充経産相が3月中に最終決定し、5月の料金から適用される。
この制度では、再生エネによる電力を電力会社が買い取り、かかった費用を電気料金に上乗せして回収する。12年度以前に発電を始めた家庭や事業者からの太陽光の買い取り価格は変わらず、13年度も風力発電などを含めて参入が見込まれるため、上乗せ料金が押し上げられる。
12年7月の制度開始を受けて新規参入が相次ぎ、経産省によると12年4月から11月末までに運転を始めた発電設備の容量は約144万キロワットに達した。太陽光を中心に高めに設定された買い取り価格が普及を後押ししてきただけに、再生エネ専業会社からは「価格の引き下げは再生エネ市場の拡大に水を差す可能性がある」との声も上がる。
会合終了後、植田委員長は「大きな市場があることが分かり、メーカーもコスト削減の努力をするはずだ」と指摘した。同様の制度を先行導入したドイツでは、再生エネの普及に伴って国民負担が増大している。