中国で美容整形をめぐるトラブルが頻発している。この10年ほどで急成長した中国の美容整形市場。中国国営新華社通信によると、年平均成長率は40%を上回り、業界の年間総売り上げはおよそ3000億元(約4兆7160億円)、就業者数は2000万人を超えた。
「かつて見向きもされなかった美容整形は、今やファッションの一つ」(浙江大学医学院付属第一医院美容・形成外科主任の徐靖宏医師)。家、車、旅行に次いで消費者の関心が高いともいわれる。
ある民間の美容外科医院では相談者が後を絶たず、年間の美容外科手術は1万件を超えるという。「残業はほぼ毎日。手術の予約は2、3カ月先まで埋まっている」。著名な美容外科医である徐医師はその過熱ぶりをこう語った。
ブームに沸く美容整形業界だが、問題も多発している。
中国消費者協会によると、この10年で美容外科施術・手術による被害報告は年平均2万件近くに上る。また、海外では禁止されたり、認可されたことがない外科手術が行われているほか、非合法な医療行為を行っている病院が多く、虚偽・誇大広告も氾濫している。