フィリピンは日本の支援を受け、鉄道や空港などのインフラ整備事業を加速させる。両国政府は3月、総額約236億ペソ(約569億円)の支援に関する合意書に署名した。事業はいずれも官民連携方式で行われる見通しだ。現地紙インクワイアラーなどが報じた。
支援の内訳は231億9000万ペソが低利融資、4億4300万ペソが無償資金援助。事業別ではマニラ首都圏の鉄道2路線の拡張事業に185億6000万ペソ、中部ビサヤ地方パングラオ島の空港整備事業に46億3000万ペソとなっている。また、無償資金援助は北部ルソン島のイフガオ州とイサベラ州の小規模水力発電所の建設に充てられる。
日本政府は今回の支援について、鉄道の充実が首都マニラの渋滞解消や大気汚染防止につながるほか、再生可能エネルギーの利用を推進することで農地の保護が可能となり、フィリピンの持続可能な経済成長に貢献できるとしている。
経済開発協力機構(OECD)によると、日本はフィリピンにとって最大の支援国。2011年の支援総額は5億9330万ドル(約589億円)でフィリピンが受けた年間支援総額の40%を占め、5億4130万ドルの米国を上回り首位だった。(シンガポール支局)