保険では政府が全額出資する日本郵政傘下のかんぽ生命保険が資金調達などで有利な立場にあるとして、米国側が「民間企業と競争条件が対等ではない」と批判。米保険会社が日本で約8割のシェアを持つがん保険などへの参入を制限するよう求めてきた。
事前協議では、かんぽ生命と民間企業の公平な競争を確保することで一致。麻生太郎金融担当相は12日の会見で、かんぽ生命のがん保険など新商品の申請を「適正な競争条件が確立されるまで認可しない。(認可まで)数年かかる」と事実上凍結する考えを示した。
ただ、日本郵政が掲げる2015年秋までの株式上場は投資家に訴える新規事業への参入が不可欠で、このままでは計画の見直しは避けられない。
米国が基準緩和を求める「食の安全」では協議を本交渉に持ち越した。日本側は着色料など添加物が健康に影響を与えないよう厳しい基準を維持する構えだが、「日本の基準を緩やかにするよう求める圧力が強まり、国民の健康が脅かされる恐れがある」(日本消費者連盟の共同代表の山浦康明氏)との不安も強い。