好況に沸くフィリピンで、マニラ首都圏を中心に建設プロジェクトが急増している。同国の国家統計局によると、2012年10~12月期の国内の建設プロジェクト数は前年同期比13.5%増の2万7931件、プロジェクトの総額は同53.1%増の670億ペソ(約1615億円)だった。現地紙マニラ・タイムズなどが報じた。
プロジェクトの内訳は、住宅が前年同期比57.6%増の383億ペソ、オフィスビルなど非住宅が同48.1%の232億ペソ、増改築が44.8%増の55億ペソだった。
地域別ではマニラ首都圏が352億ペソで、カラバルソン地方の81億ペソ、中部ルソン地方の54億ペソなどを大きく引き離している。
フィリピン建設業協会の幹部は、今年3月に欧州系格付け会社のフィッチ・レーティングスが外貨建てフィリピン国債の格付けを投資適格級に引き上げたほか、ミンダナオ和平の進展など好材料がそろっていると分析。今年のプロジェクト増にも自信をみせる。
同幹部は「フィリピン政府が観光振興を図っている」と述べ、今後3年間にわたってホテルなど観光関連施設の建設が増加するとの見通しを示した。(シンガポール支局)