中国のテレビを見ていると、思わず口に出してツッコんでしまうことが多い。昨年12月、日本で安倍晋三政権が誕生したときのことだった。某局が「日本にはなぜ世襲の議員や財界人が多いのか」という趣旨の特集を組んでいた。
関西風に言えば、「どの口が言うてんねん」である。
日本批判のフリ…実は権力者を批判?
中国の最高指導者、習近平氏は太子党(高級幹部の子弟グループ)出身だ。中国国内のビジネスチャンスを独占しているのも太子党とされる。
この番組は、日本の人気アニメ「名探偵コナン」のワンシーンをわざわざ紹介していた。ある登場人物が、日本の政財界に世襲が跋扈(ばっこ)していることを指摘する場面だ。
驚いたのは、日本のある大学教授による「2世議員といっても八百長や出来レースではなく、きちんと選挙で有権者から選ばれているのだから、それほど問題ではない」という趣旨のコメントが流れたことだった。