米国など11カ国が参加する環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)の第17回交渉会合が15日から10日間の日程で、ペルーの首都リマで開幕。日本のTPP交渉への正式参加は、米議会の承認手続きが終了する7月以降となるため、11カ国が関税撤廃などを議論する。日本にとっては交渉の進展度合いとともに、7月の次回会合の日程がいつ決まるかが焦点になる。
TPP交渉は、関税撤廃や知的財産権の保護など21分野で、貿易自由化やルールの共通化を話し合っている。3月にシンガポールで開いた前回会合までに税関手続きの簡素化や、電気通信インフラの開放など4分野で大筋合意した。だが、各国の利害が対立する関税撤廃の例外品目や知的財産権の保護、環境、労働のルール作りなどの協議は難航しているもようだ。
日本は、交渉で自動車など鉱工業品の関税引き下げや新興国の市場開放を求める一方、コメや砂糖、乳製品など農産品の重要品目を関税撤廃の例外とするよう主張する方針。後発組の日本が合意を覆すのは難しいため、会合の進捗状況次第では日本の交渉戦略に影響を及ぼす可能性がある。今回の会合では次回の日程も決める。11カ国は交渉の年内妥結をめざし、7月中旬からマレーシアで次回会合を開くことを検討している。
日本政府は初参加に向けて、各国の交渉官らから各分野の進展状況の情報収集を加速するとともに、実質的な議論に参加できるよう次回会合の日程の延長などを求めていく考えだ。