巨大な潜在需要があるインド国内航空産業は、空港設備の老朽化や過重な運航コストなどが妨げとなり成長が足踏みしているが、政府の外資規制緩和などで一部に明るい兆しも見え始めた。国際航空運送協会(IATA)のトニー・タイラー事務総長が首都ニューデリーで開かれた航空業界セミナーで指摘した。現地紙ヒンドゥスタン・タイムズが伝えた。
インドの国内航空産業はかつて、活気あふれる同国経済の象徴として市場を広げていた。しかし、インフラの不備をはじめ、航空各社の無謀な事業拡大路線、行き過ぎた価格競争、燃料などのコスト高が妨げとなり、ここ数年は各社とも業績不振が続いている。昨年の国内線旅客数は前年比2.1%減と後退した。
タイラー氏は、航空会社の事業コストに占める燃料費の割合が、世界平均の約30%に対し、インドでは45%に達していると指摘。加えて、同国政府は国際ルールに反してサービス税を徴収していると批判した。