経済成長が著しいベトナムの最大都市ホーチミンでコンビニエンスストアの出店が加速し、便利さや食品の多様性を武器に市場を広げ、地元の小売商店やスーパーマーケットの顧客を奪っている。現地紙ベトナム・ニューズが報じた。
ホーチミン市産業通商局の幹部によると、コンビニが台頭する背景として、食品の安全性を懸念する消費者が、食品表示がある商品を販売するコンビニを好んでいる点を指摘した。利便性の高さや品ぞろえ、店内の清潔さだけでなく、コンビニでは値段交渉せずに商品を購入できることも理由に挙げている。
現在、ホーチミン市内のコンビニ店舗数は約480軒。ファミリーマートやミニストップなど日系コンビニも精力的に店舗拡大を図っている。
ベトナム政府による規制緩和もコンビニ出店を後押しする。同政府は今月、外資小売業に対して500平方メートル未満の小規模店舗の出店審査を免除すると発表した。ベトナムのコンビニの標準的な売り場面積は約100平方メートルで今回の規制緩和の恩恵を受けることから、さらなるコンビニの店舗数拡大により、地元商店やスーパーマーケットは苦境に立たされそうだ。(シンガポール支局)