参院選を経て、経済財政運営の焦点となるのが、消費税率の引き上げの最終判断だ。参院選で経済状況を考慮し、慎重に決めるとの姿勢を示していた安倍晋三首相。国民に重い負担を強いる増税に対し「景気の好転」を理由に引き上げの突破口を開く構えとみられる。
消費税は2014年4月に8%に、15年10月に10%へと2段階で引き上げることが、昨年8月に成立した消費増税法で決まった。来年4月増税をやめるには景気が悪化していることが条件になる。
安倍首相は10月ごろに増税の是非を決めるが、足元の経済状況では、増税を断念させるほどの材料はない。
増税法は付則で、10年間平均の経済成長について、国内総生産(GDP)で物価の変動を除いた「実質2%」、生活実感に近いとされる「名目3%」を目指すことにしているが、今のところ、これを下回る悪い水準には陥っていない。