金の先物価格が不安定な値動きとなっている。国際相場は、米国の量的緩和縮小観測を受けて急落した後、観測の後退とともに上昇。東京商品取引所で取引されている金先物も円安で勢いよく上昇してきたが、今年2月につけた高値から約15%低い水準となっている。現物の金の買い手である中国やインドの経済減速も、価格の下押し要因となっており、2008年のリーマン・ショック以来、安全資産として買われてきた金を取り巻く環境は、転換点を迎えている。
23日のニューヨーク商品取引所(COMEX)で、金先物の取引の中心である8月物は前日比1.3ドル安の1トロイオンス1334.7ドルで終えた。
前日まで3日連続で上がり、上昇率は4%を超えていたことから過熱感を警戒した売りが出たとみられる。
金先物の価格は世界的な需給で決まるが、東商取では円換算されるため、円安が進むと価格が上がる。このため、今年2月7日の取引時間中に、取引の中心となる先物(中心限月)の価格は5081円と過去最高値をつけた。