ベトナム政府が国内のカジノ経営に関する法整備に乗り出した。観光振興の目玉として期待されるカジノ産業をもり立てて、低迷する経済を活性化する狙いだ。現地紙ベトナム・インベストメント・レビューが伝えた。
国会常務委員会で審議されたカジノ経営に関する政府指針の草案には、今後、同国のカジノに参入する企業に対する条件が明記された。投資額は40億ドル(約3980億円)以上、また10年以上のカジノ経営歴が必要で、ベトナムではカジノを含む複合型娯楽施設として運営しなければならないとしている。
一方、草案には同国内のカジノ施設数に制限がなく、また違法行為についても明記されていないため、グエン・シン・フン国会議長は草案に同意しながらも「場所や数を限定するなど、詳細なカジノ振興計画が必要」と指摘した。
現在、ベトナムでカジノに入場できるのは外国人に制限されている。しかし、多くのベトナム人が国境を越えてカンボジアのカジノなどに足を運び、外貨流出を引き起こしている現状から、ベトナム人の国内でのカジノ解禁も試験的に検討すべきだとの声も政府内から上がっている。(シンガポール支局)