オバマ米大統領が3日、インドネシア・バリ島で8日開催予定の環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)交渉首脳会合への欠席を決めたことで、早期妥結機運の低下は避けられそうにない。首脳会合で「大筋合意」を宣言する見通しだが、旗振り役の米大統領が不在となれば、肝心の中身が置き去りにされる懸念は大きい。一方で、年内妥結に向け、日米など参加12カ国が閣僚会合を12月上旬にもバリ島で開く方向で調整していることが分かった。複数の交渉筋が明らかにした。
「なんとか都合をつけてもらえるのではないかと期待していた」
甘利明TPP担当相は4日、記者団に対し、オバマ氏の欠席をこう残念がった。
同日午前、2日目を迎えた閣僚会合の席上で、米通商代表部(USTR)のフロマン代表からオバマ氏の首脳会合欠席が伝えられると、各国の閣僚に驚きが広がった。フロマン氏は、オバマ氏が首脳会合を予定通り行ってほしいと要請していることを説明。各国は「メッセージを本国に伝えて相談することになった」(甘利氏)という。