政労使会議を終え、記者団の質問に答えるトヨタ自動車の豊田章男社長=17日午後、首相官邸【拡大】
政府は17日、政府、経営者、労働組合の3者が、景気回復に向け、雇用や賃金などを協議する「政労使会議」を首相官邸で開いた。2回目となる今回はトヨタ自動車の豊田章男社長、日立製作所の川村隆会長が出席。豊田社長は「業績が上がった分、従業員に還元するのが当然」と会議後に記者団に語ったほか、川村会長も、給与水準全体を底上げする「ベースアップ(ベア)も選択肢の一つ」と述べ、ともに賃上げに前向きな姿勢を示した。
安倍晋三首相は会議で経済政策によって「デフレがこびりついていた空気を変えた」と実績を強調。その上で、「ここからが本番。経済界、労働界もできることを実行してもらいたい」と賃上げなどの協力を求めた。
政労使会議にトヨタ、日立のトップを招いたのは、安倍政権が来年の春闘での賃上げが、デフレ脱却に向けた「景気の好循環」実現の正念場と位置づけるからだ。