健康長寿を延ばす環境づくり目指す
今月7日、「日本における栄養補助食品有用性の消費者理解促進を目的とした表示拡大のための政策検討会」と題したシンポジウムが、国際栄養食品協会(AIFN)および在日米国商工会議所(ACCJ)の主催で開かれた。栄養補助食品に対する機能性表示拡大が2014年度末までに行われることを受け、既にシステムを構築している米国栄養補助食品(ダイエタリー・サプリメント)制度や、EUにおける機能性表示と問題点、ASEANの取り組みなど、幅広い視点から意見が交わされた。
≪莫大なコスト新規参入に壁≫
【成長戦略のひとつ】
わが国では、薬事法などの諸法規により一般の食品について、栄養成分の機能や特定の保健目的への期待などに関する表示は禁止されている。食品の中でも1991年に設立された「特定保健用食品」は、ヒトでの試験で有効性と安全性が確認された上で、国から許可を得て特定の保健の用途に資する旨を表示できる。また、01年設立の「栄養機能食品」制度で、12種類のビタミンとミネラルのいずれかが一定量含まれれば、厚労省に届け出や申請をしなくても栄養素の機能を表示できる。しかし、栄養機能食品の成分は限られ、特定保健用食品の申請は成分ごとではなく製品ごとに行わなければならず、時間(4~5年)もコスト(2億~3億円)もかかる。安倍内閣が打ち出した成長戦略のひとつが、この制度を見直す新たな「機能性表示」制度である。