上海ガニ 今年は価格“乱高下” 消費低迷に養殖業者、高値あきらめ

2013.10.29 05:00

 中国では毎年、秋の到来とともに上海ガニが水産物市場の主役となっている。しかし今年は、9月初頭の販売開始から価格が大きく変動しており、消費者の購買意欲に冷水をあびせているという。

 ◆出荷量増加喜べず

 江蘇省興化市安豊鎮にある国蟹市場には、水産物を取り扱う店が400店以上も軒を連ねている。そのうちの1店である恒豊水産行の店主、張恒干氏は「9月初頭の初売り以降、1日の平均出荷量は中秋節(今年は9月19日)前の1500キロから、5000キロまで増加している」と話す。

 しかし、中秋節前には175グラムの上海ガニの卸値が過去最高となる90元(約1440円)超に達していたのに対し、現在は26元まで下落しており、「出荷量の増加を喜べない」と嘆いている。

 また、北京市岳各庄水産品卸市場の上海ガニ卸業者、梁希偉氏は「価格が下落すればするほど、市場に出回る上海ガニの量は増えるといった現象が起こっている」と指摘。その原因について「早めに手放したいという養殖業者の意向と、国慶節(建国記念日、10月1日)期間中に伸び悩んだ消費量が、価格上昇への期待をあきらめさせた結果」と分析している。

 金香来大閘蟹(興化市)の姚建峰董事長によると、「毎年、上海ガニの価格は中秋節前が高く、10月に入ると下落、11月には再び上昇し、12月には落ち着くといったリズムを繰り返している」という。

 しかし、過去最高の高値を記録した後、中秋節を境に急落した今年の変動幅は珍しく、その要因に気象条件を指摘する声が上がっている。つまり、夏の高温少雨による影響で成長周期が乱れた上海ガニには、例年より10日前後の出荷の遅れが生じており、中秋節前の出荷量が少なくなったことから、価格が高騰したとみられているのだ。

 さらに、中秋節後はエサ代の高騰などから養殖業者が売りを急いだ結果、市場需要が急速に満たされたという点、技術の向上で新疆ウイグル自治区をはじめ、全国各地で養殖が盛んとなったことから、供給過多となった点も要因として挙げられている。

 ◆海外市場に着目

 こうした状況下、価格の上昇が見込まれるシーズン後期まで出荷を見合わせる養殖業者や、国内市場の低迷を受け、海外市場に目を向ける販売業者も登場している。

 実際、蘇州市呉中区太湖大閘蟹産業協会の陳太豊副秘書長は、同エリアにおける今年の上海蟹の総生産量約7000トンのうち、500トン分を香港、マカオなど海外市場に振り分ける予定という。(経済日報=中国新聞社)

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