【ワシントン=柿内公輔】内部告発サイト「ウィキリークス」は13日、環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)交渉の一部の条文案などとみられる文書を入手したとして公開した。流出や文書の真偽は不明だが、文書は各国の対立が激しい知的財産権分野に関するもので、各国の賛否や意見なども記されている。
ウィキリークスによると、文書は8月30日にブルネイで開かれたTPP交渉会合の首席交渉官の協議で配布された資料とされ、英文で95ページに上る。
製品に関する特許と著作権などの定義や保護される期間についての原案に、各国の賛否や意見が細かく付記されており、著作権侵害については、権利者の申請なしに当局が法的措置をとる手法が提案され、米国など10カ国は賛成だが、日本とベトナムは反対している。やはり各国の対立が激しい医薬品の特許なども取り上げられている。
ウィキリークスは文書に関して、各国が協議しているTPPの知財に関する条文は「個人の権利と自由な表現を踏みにじるものだ」と批判している。
米通商代表部(USTR)の高官は13日、産経新聞の取材に対して、文書の流出や真偽については確認を避けた上で、「知財分野の交渉はまだ終わっておらず、最終的な条文は存在しない」とコメントした。
TPP交渉参加国は19日から米ユタ州で首席交渉官会合を開く予定。