■有効策なく不安拡大
東南アジア諸国連合(ASEAN)第2の国内総生産(GDP)規模を誇り、多くの日本企業が進出するタイの経済が「政治」「賃金」「景気」の三重苦にあえいでいる。反政府デモの圧力を受けインラック首相は解散・総選挙を決めたが、反政府勢力が政治改革前の選挙を拒否するなど、先行きは不透明だ。一方、人手不足による賃金水準上昇で、製造業など輸出産業は苦戦している。自動車購入優遇策終了の反動で消費が落ち込む中、デモの混乱で有効な景気刺激策も打ち出せない状況だ。
◆デモ長期化で打撃
「いつになれば海外からの旅行客の水準が元に戻るのか見通せない」。タイの観光業者は、反政府デモが与える影響の先行きについて懸念を強める。
地元メディアによると、デモが先鋭化した11月下旬から12月中旬にかけ、タイを訪れた外国人は通常より40万人ほど減少した。例年は1カ月の訪問者数が250万人にのぼるかき入れ時のシーズンだ。観光・スポーツ省が発表した12月1~8日のバンコクの国際空港到着客数も15%減だった。