■「いつか来た道」を進んではならない
「特定秘密保護法」が国会で強行採決されました。しかし、民主主義を根底から破壊する「希代の悪法」に、成立後の世論調査でも8割を超える人が「廃止・修正」を求めています。
「戦争に向かう、暗闇社会をつくろうとしているのではないか」「これは『いつか来た道』ではないか」という不安が広がっています。
◆範囲があいまいで際限なく広がる
秘密保護法では、「防衛」「外交」「スパイ行為」「テロ活動防止」の4分野で、外務大臣や防衛大臣などの一存で、政府が持つ情報を「特定秘密」に認定できます。これでは、際限なく広がってしまいます。
しかも、いったん指定したら、いくらでも更新できます。「日本維新の会」との修正協議で、原則30年で公開としていたものが60年に延長されました。そして、60年後も総理大臣の判断で“廃棄”できるのですから、永久に公表されない恐れもあります。
法案の採決直前になって、「第三者機関をつくる」という答弁が続きましたが、法律に明文化されたものでなく、いずれも政府部内の機関で、「第三者」とはいえない代物です。
国民には、何を秘密にしたのかも知らされません。ですから、自分が接した情報が「特定秘密」かどうかもわからないまま、処罰されることすらあり得るのです。
秘密保護法違反で逮捕されるときの逮捕状にも、どのような秘密をもらしたのかを示さず、裁判になっても、弁護士にも開示しないといいます。これでは、何が処罰の対象となっているかもわからないまま、裁判が進み判決が下るという、異様なことになってしまいます。