世界ウイグル会議議長のラビア・カーディル氏(右)と幸福実現党党首の釈量子=12月3日、ワシントン【拡大】
□幸福実現党党首・釈量子
--尖閣上空を含む東シナ海への防空識別圏の設定など中国の横暴が目立ちます
中国は尖閣諸島(沖縄県石垣市)をめぐって対日強硬姿勢を強めていることはもとより、南シナ海でも強大な軍事力を背景にベトナムやフィリピンなどの海洋権益の侵害行為を繰り返しています。
また中国は国内では、チベット人やウイグル人等の少数民族にも、苛烈極まる人権弾圧を続けています。
今月3日、米国のワシントンDCで、ウイグル民族民主運動指導者であるラビア・カーディル氏と対談しました。「ウイグルの母」とも呼ばれるラビア氏は米国に亡命し、世界ウイグル会議議長を務めています。対談のテーマは、中国によるウイグル弾圧の実態から、アジアのリーダーとして日本に期待される役割まで広範に及びましたが、改めて、日本を強くすることは、日本のみならず、アジアの平和にも必要だと感じました。
--10月下旬、天安門でウイグル人男性による車両突入事件が発生。今月15日にも警察との衝突で住民14人が射殺されるという事件が起きました
天安門での事件は、ウイグル人男性が年老いた母親、妊娠4カ月の妻を伴った悲劇的な死でしたが、ラビアさんによれば、この行動は「中国共産党によるウイグル人への限度を超えた迫害を、全世界に知らせるのが目的だったと思う」とのことでした。それほどまでに、ウイグルの人々は追い詰められているのです。
これが、21世紀の今、海を隔てた、中国大陸で起きていることなのです。中国は言語や宗教を弾圧し、ウイグルの文化を徹底的に破壊するほか、この10年間に30万人ものウイグルの未婚女性を中国本土に強制連行するなど、民族を根絶やしにしようとしています。加えて、弾圧を正当化するために、ウイグルの人々をテロリスト呼ばわりしていますが、中国の暴挙には怒りを禁じ得ません。